【おすすめ作品紹介】オトメの帝国

著者:岸虎次郎先生 連載先:少年ジャンプ+(WEB漫画サイト)

1. あらすじ

かわいくって好奇心旺盛。やかましいけれど憎めない。

欲望に忠実なイマドキ女子高生の不思議な生態を、ちょっと覗き見してみます?

上記は公式のコピーですが、このコピーだけでも読みたくなってしまう名文ですよね。

この作品はとある女子高で繰り広げられる群像劇であり、特定の主人公というのは存在していません

魅力的な登場人物達はそれぞれ主人公であり、他の登場人物との人間関係を主軸に据えたショート百合ストーリーです。ショートとは言ってもそれぞれの話が緩く連結しており、思いがけないところで『あ、そういえばこの子達ってそんなことになってたなぁ』というような、過去の話の続きの展開を楽しむことができます。

自分の推しのカップルが、ふと別のカップルのお話に絡んできた時はちょっとした夢の競演感を味わえること請け合いです!

2. 登場人物

2-1. あー×ちえ

岡山 亜衣

ややクールな雰囲気を持った硬派でボーイッシュな陸上少女。

ボーイッシュなのは外見だけでなく、心もボーイッシュ気味で、ちえに対しては好きになった女の子に対する初心な少年のような反応を見せます。

特にちえが自分以外の同級生にベタベタされることには強い不快感を感じるようで、それは仲の良い親友を誰かにとられたくないという独占欲のようですが、同性の友人に対して抱くには明らかに特別すぎる想いのように見えます。

神園 ちえ

おでこがチャームポイントの関西弁の金髪ギャル。

明るくイケイケのようでいながら、自己評価は基本的に高くなく自分の身体へのコンプレックスも抱えています。

ちえは最初、偏見から亜衣のことを嫌っていたのですが、ふとした拍子に彼女のとある一部に一目惚れします。その後、順調に交友を重ねるうちに彼女の魅力をよく理解し、彼女が自分自身のコンプレックスを解消してくれた事などから徐々に距離を縮めてゆきます。ちえもまた、亜衣に対して執着を見せはじめ、同性の友人同士と呼ぶには親密すぎる関係へと発展していきます。

2-2. ほの×エリ

山田 ほのか

スリムで高身長、きめ細かな肌と美しい黒髪を持つ隠れハイスペック腐女子。

校内でも有名な美女を姉に持つだけのことはあって顔立ちも悪くないようですが、本人にその自覚はありません。(姫カットが普通に似合ってしまう時点で美形と言えるのではないでしょうか)

幼少の頃から姉と比較されていた描写があり、またそのせいかは分かりませんが陰気な性格だったようです。いじめを受けていたことがあるような描写もあり、現在は相当に捻くれて卑屈な気質となってしまっています。漫研に所属しており、絵を描く能力については自信を持っていましたが、エリーシャの謎の画力の前に自信を喪失します。ほのかからみたエリーシャは社交的で、リア充で、美人で胸も大きくて、『全部を持っている』という印象です。

エリーシャのことを非常にポジティブな印象でとらえていますが、同時に妬ましくも思っているようです。

エリーシャ・サマセット

ブロンドのショートヘアにダイナミックなボディで、眼鏡をかけたコーカソイド美少女

舌とお腹にピアスをつけており、そのことは学校には内緒のようです。

リンカーン元大統領が好きらしく筋肉ムキムキのサイボーグ元大統領が悪のエイリアンと戦うストーリーを作っているようです。

彼女は初見からほのかの外見的特徴をクールだと感じており、ほのかに対して非常にポジティブな印象を抱いています。スリムなスタイルや、黒髪の姫カット、きめ細かな肌、エリーシャから見て好みの絵柄とオリジナリティのある発想などを絶賛し、ほのかのような声になりたいとも言っています。

彼女はまっすぐに正面からほのかに好意を伝え、交友を深めようとします。

2-3. あや×みよ

九条 綾乃

黒髪のクールビューティ系ギャル。

日常程度の英会話はこなせる、成績は学年で41位を取っている描写があるなど頭がいいようです。

三好とは小学生時代からの幼馴染であり、現在に至るまでずっと良好な関係を続けています。(いわゆる男性が想像するような)女子同士の過剰なスキンシップをお互いにしており、お互いを親友以上の存在として想いあってるような描写があります。綾乃はどちらかといえば自分の気持ちに自覚的で、三好に気取られないようにしてはいますが独占欲を見せたり、三好とのキスに胸を高鳴らせたりしています。

桜井 美好

茶髪の快活いたずらっ子系ギャル。

チアリーディング部に所属しており、なんと片手で腕立て伏せができるほどに高い身体能力を持っています。綾乃とはお互いが老婆になっても一緒にいることを確信しているようです。綾乃のことを大事に思っていて、他の誰も気付かない綾乃の異常に気付き、心情を慮って涙することもありました。自分の気持ちについて深く考えることがないようですが、寝ている綾乃にいたずらする際に異性に対するようにドキドキしていることなどから同性の親友に対する感情だけではなさそうです。

2-4. のの×ゆみ

野々宮 恵奈

ディベート部部長なのに、気弱でおっとりした、ぽっちゃり系女子。

経緯は不明ながらゆみみのことを尋常でなく好きになっており、口に出して表現はしませんが、ゆみみに対しての野々宮部長はギャルに恋をしている気弱な男子高校生のような心理状態です。ゆみみのあらゆる欠点を可愛く感じてしまう全肯定状態になっており、彼女のゆみみへの想いは完全に恋愛感情であることは一目瞭然です。

ゆみみ

フルネームが不明な、やんちゃ系生意気後輩女子。

ゆみみはグループの中心になりやすい気質で、強気で気分屋なムードメーカーといったところでしょうか。ちょっと気分を損ねると攻撃されてしまいそうな怖さがあり、現実の女子高生にはこういったタイプの人は結構居がちのようにも思いますが、この作品の主要人物では珍しいタイプです。野々宮部長のことはのののん先輩と呼んでおり、元々それなりに好意的に捉えてはいたようですが、徐々にのののん先輩の魅力に気付きつつあるようです。

 

2-5. まひ×まひ

小城 まひる/大下 まひろ

話すと幸せになれる『まひまひ神』として信仰されるマスコット系女子。

大下 まひろとはがつく親友とのことで、いつもお揃いの髪型にお揃いのコーデで決めています。二人とも幼い外見をしており、性格も純真そのものです。血の繋がりもないのにそっくりで、見知らぬ人からは双子と間違われてしまうほどです。

仲のいい友達同士や夫婦はだんだん似てくるといいますが、彼女たちはもともとに通った特徴を持っていた上に、お互いに相手のために一生懸命で、相手とお揃いであることに幸福感を感じているようなので、周囲が驚くほどそっくりになっていってるのかもしれません。

彼女たちはお互いに自分よりも相手のことを大事にしていて、相手を幸せにしてあげたいと想いあっています

2-6. ゆう×まり

麻峰 優

とても気まぐれで、我が儘で寂しがり屋のドS女子。

自分のつんけんした態度を許容してくれる相手に対して甘えを見せる部分があるようで、自分のわがままを聞いてくれる相手に無茶ぶりをして、相手がそれに従ってくれることに喜びを見い出しています。

しかし、彼女のそういった気質は音沢茉莉の性癖と利害が一致してしまったが故に抑制されることなく、変態百合カップルが誕生してしまったのだろうと推測されます。

最初はまひまひコンビを苦手に思っていたようですが、無邪気に自分に懐き、料理の腕を絶賛してくれた彼女達を可愛らしく思い始めているようで、知らない相手と仲良くする姿を見て寂しがったりする様子も見せました。

ただし、まひまひコンビは茉莉にも非常に懐いており、優はまひまひコンビを時にライバル視して茉莉に絡みます。まひまひコンビへの嫉妬心の矛先は茉莉です(笑)

普通の相手なら理不尽でしょうが茉莉にとってはご褒美に過ぎないのでWin-Winの関係と言えます

音沢 茉莉

優しくて穏やかな、アスリート系ドM女子。

勝気なドMというキャッチフレーズでしたが、勝気なところを見せたことは一切ありません。)

麻峰優とはもはや変態百合カップルと呼んで差し支えない間柄の、作中きってのド変態の一人です。

特殊な性癖を除けば非常に良識的な人物で、時にはやりすぎてしまう優のためを思って苦言を呈すこともあります。その人柄の良さからまひまひコンビをはじめ色々な人に好かれますが、それが逆に優の嫉妬心を煽りより強烈なご褒美へとつながります。

特殊な部分を抜きにしてもお互いのことを無二の存在として大事に思っている二人なのですが、どうしても関係のアヤシさのほうに意識が行ってしまうのが困ったところです。

2-7. はる×かな

菜々沢 遥

容姿端麗で成績優秀、優しさも備えている完璧女子。

本来は好奇心が旺盛で、なんでも試してみたくなる性質のようですが、周囲の目を気にして突飛な行動を抑制しています。

彼女が奏恵と本格的に関わり始めるのは、奏恵が人間的成長を遂げた後のことで奏恵の内心の葛藤などは露ほども知らないはずですが、『話してみるまではちょっと怖い人なのかと思ってた』とのことです。その時期は奏恵は遥を敵視している時期ですので、やっぱり態度というのは伝わってしまうものですね。しかし、話してみたら優しくて勇気のある人だと感じ、好意的に思っているようです。成長した奏恵の人間力は相当なものがあり、奏恵本来の性格と相乗効果を発揮しています。遥は奏恵に対してなら本来の自分をそのまま見せても大丈夫と確信し、急速に惹かれていっているようです。

小野田 奏恵

彼女は長期間に渡って一人でエピソードを描かれており、元々友達のいない孤独で努力家な(だけれども友達同士の仲の良さにも憧れている)少女でした。騒がしさからやや苦手に感じていたクラスメート達に対しては彼女達の優しさに触れて友達がいることの良さを感じ、劣等感を感じていた相手である遥についても内心では存在を否定していたのですが、コンプレックスから意識しているうちに遥が素晴らしい人間であると認め最終的には遥の魅力を誰よりも知るようになります。

作中で初期から最も人間として成長したのは彼女だと言えるかもしれません。ただし、彼女がそのように成長できたのは良きクラスメートに恵まれ、彼女たちの優しさに励まされていたからと言えるでしょう。

2-8. みお×しず

市ノ瀬 美緒

ゆるふわで可愛い雰囲気の、素直で一途な後輩女子。

美緒は静香の顔立ちや振る舞いに美しさを感じて憧れており、美緒自身が素直でとても愛らしいことから、静香からも可愛がられています。美緒のまっすぐでわかりやすく、けれども控えめに表現される好意は静香に間違いなく伝わっており、静香も美緒に惹かれていきます。けれども、静香の心には美緒の知らない何かが居座っていて、美緒もそれに薄々気づいてきているようです。

読者視点で見た美緒は、ずばり苦しい恋をしそうなタイプでしょうか。応援したくなる健気な女の子です。

浅水 静香

美しい顔立ちから後輩にモテる、憧れの先輩系女子。

かつて山田かおるとただならぬ関係であり、彼女のあまりの気の多さに耐えきれず、友人同士に戻った過去があります。山田かおるへの複雑な気持ちがいまだに心に深く根を下ろしており、まったく吹っ切れていません。しかし、自分にまっすぐ好意を向けてくれる可愛らしい後輩に出会ったことで、ようやく過去から解き放たれそうな気がしているようです。しかし、独特な価値観を持つ山田かおるは未だに静香への好意を隠そうとしないため、彼女の心はよくかき乱されています。そうやって山田かおるに気持ちを残すことが、かつて自分が味わった苦しみを一ノ瀬美緒に与える可能性には一切気付いていません。

表面上はともかく、本質的には自分のことしか見えていないのかもしれません。先輩らしく成長できる日は来るのでしょうか

2-9. かお×まよ

山田 かおる

優雅でゴージャスな雰囲気を持つ顔セレブ。

どのくらいゴージャスかと言えば、初期のころは彼女が描かれるコマ自体がゴージャスになっていました。誰もが認める美女っぷりで、彼女にまったく興味を抱いていない真宵ですら美の権化と表現したほどです。

性格は享楽的で野生動物のようにやりたいことをやるタイプですが、半面身体は非常に虚弱でよく倒れます。

非常に気が多いのですが愛情深く、恐らく本人は毎度割と本気で相手を好きになっています。(ただし、飽きるのも早いようですが……)そういった相手の中でも浅水静香のことは別格に好きだったようで、絶交を申し渡されたときは拒食症に近い状態になっていたようです。

また、妹のほのかに対しても非常に強く愛情を向けていて、やや過保護気味です。そのため、妹の友人を見たい一心で漫研の集まりに顔を出し、そこで真宵の笑顔を見て彼女に惹かれてしまいます

今までは誰もがかおるにかき乱され、彼女から離れていくときも嫉妬などかおるを強く意識する形で離れていっていたのですが、真宵にとってかおるは美しいだけの人間でしかなく、興味を抱く相手ではありませんでした。

自分が惹かれた相手から明確に拒絶されたことはなかったかおるは、真宵に強く執着しています。

朱鷺野 真宵

常にマスクをつけた花魁口調女子。

漫研の鬼火部長をクリエーターとして強く尊敬しており、彼女の才能に負けじと日々創作に精進をしています。真宵が鬼火部長の才能に戦慄するシーンはあっても、その逆はほぼないところから力関係が推察されます。

本人は恋愛事は来世に任せると言ってはいますが、マスクを取った顔立ちは美しく、髪型もお洒落です。歯列矯正もしており(これは健康上の理由かもしれませんが)、外見に全く気を使ってないということはなさそうです。

山田かおるに執着されていることを面倒くさいと感じているようです。

2-10. ミチ×あり

細川 ミチル

ボーイッシュなカメラガール。

三田原愛理をありぃと呼んで、彼女をモデルに日々きわどい写真を撮影しています。

ありぃの魅力的な表情や肢体を撮影する際に、同性に対しては基本的に感じないであろう興奮を感じていたり、ありぃと別生徒の絡んだ写真を撮影してダメージを受けたりしています。

本人は内心で否定していますが、ありぃのことを特別に想っているのは間違いなく、ぶっちゃけ第二の変態カップルです。

 

三田原 愛里

天真爛漫なマイペース女子。

ミチルのことが大好きでミチルの言うことには非常に従順なのですが、完全にミチルのことを自分の彼氏として認識しており男にミチルを取られることを危惧しているようです。見られたり撮影されたりするのが好きで、ミチル相手であれば服を脱ぐことに対する抵抗もほぼないという作中きってのド変態の一人です。純粋に露出を好む沢野奈緒と比べるとミチル以外にみられるのは嫌がるだけ大分ましなのかもしれません。

2-11. さえ×なお?

鬼火 冴子

創作意欲に満ちた、美しすぎる漫研部長。

眼鏡をはずし、髪をほどいた姿は美少女揃いの作中でもトップクラスの美女です。というか、この学校の漫研には美少女しかいないのでしょうか。

漫研の部長として創作のため奇行の限りを尽くしてきた彼女ですが、沢野奈緒の変態行為を偶然目撃したことから、沢野奈緒を意識するようになります。冴子本人が変人であることもあり、奈緒に対して引くどころか、奈緒を魅力的に感じているようです。新カップル誕生の足音が聞こえてくる気がします

沢野 奈緒

生徒会副会長で品行方正な露出狂女子。

長いことソロで変態露出プレイを行い、読者サービスを担ってきた作中最強の変態です。彼女の武勇は枚挙に暇がなく、内容的にも具体的なことを記載するのは憚られるため、ぜひ本編でご確認いただきたいところです。とある変態活動をうっかり鬼火部長にみられてしまい、とうとうこれからはカップリングが始まるのかと期待させられます。

3. 作品の面白さ

3-1.カップル(?)同士のエピソード

上記で紹介しきれなかったカップルも含めて、カップル二人の関係性が主軸となるエピソードで、いわゆる百合展開が繰り広げられるものです。

上記の紹介でもわかっていただけるかと思うのですが、カップルそれぞれで1作品が成立できそうなほど濃いので、マリみてストパニレベルで推しのカップルが見つかりやすいと思われます。

3-2.複数の主要人物が関わりあうエピソード

複数の主要人物がメインとなるエピソードもそれなりの頻度で展開され、それぞれの登場人物に影響を与え合います。いい影響もあれば悪い影響もあって、こういう部分も百合群像劇らしくて良さを感じます

4.この作品を面白いと感じた方におすすめの作品

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草薙先生は試されている。

ふつおたはいりません

参考 ふつおたはいりません!(結城十維) - カクヨムカクヨム - 「書ける、読める、伝えられる」新しい小説投稿サイト

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