著者:新山たかし先生 連載先:月間少年ギャグ王
1. あらすじ
見習い忍者、奮闘中!! お待たせっ! 半熟忍者4人組のハラハラ修行記!
と、上記が現在公開されているSQUAREENIXの公式のキャッチフレーズですが、もうちょっと正確には
見習い忍者、奮闘中!! お待たせっ! 半熟忍者4人組⁺変態くのいち軍団のエロエロ修行記!
と表現したほうがいいでしょう。
この作品はかつてのドラクエ全盛期に猛威を振るった伝説のアンソロジー『ドラクエ4コママンガ劇場』にて活躍した新山たかし先生の連載作品です。
新山たかし先生をご存じない方のために主観的に説明しますと、先生はドラクエ3女戦士の魅力を日本中に伝え、当時の少年たちの性癖を歪めに歪めた偉大なる男たちのひとりです。
活躍の場を4コマから連載に移しても1995年で早くも『お色気くのいち』というジャンルで攻める先見性の高さは凄まじく、さらに少年たちの性癖にゴリゴリ影響を与えていきました。
作風は軽快で明るく、読めば元気が出るちょっとスケベなドタバタラブコメという感じで、大人になった方が読んでもそれは変わらないことでしょう。
子供のころファンだった方も、実は子供の時は読んでなかったという方も、ぜひご一読をオススメいたします!
2. 登場人物
雷太
おバカで超スケベですが学習能力は高い、ギザギザ眉毛が特徴的な本作の主人公的存在です。
ちなみに、深雪、疾風、かすみとは幼馴染です。
自分好みの女性に対し、現代日本で同じことをすれば一発で逮捕されるレベルのスキンシップを瞬時に繰り出します。
あまりの早業に、雷太よりも格上の忍者と思われる沙霧ですら事後対応が精一杯のようです。(漫画の趣旨的な部分もあるのかもしれませんが……)
ちなみにうる星やつらやGS美神と同様、破廉恥行為にはそれ相応の罰が待っており、毎度のように深雪や被害者、または被害者の関係者に常人であれば致死レベルの制裁を受けています。
(ただし、そういうポジションのキャラの中では圧倒的に良い思いをしている気もします。)
上記で鍛えられてか、耐久力と回復力は群を抜いており、打撃はおろか窒息、斬撃、雷撃、果ては爆発に致死毒からも即座に復帰できるゾンビのような生命力を持っています。
持ち前のスケベ心やグラマーな女性を好む嗜好とは別次元で深雪のことを大切に思っており、本心では深雪のことを一途に想っているようですが、それを素直に口にすることができないでいます。
深雪
短気でお転婆だけれども、雷太への想いを隠しきれていない本作のメインヒロイン的存在です。
純粋な筋力については作中最強というポジションで、裏側が空洞となっているとはいえ水中で岩を砕いたり、虎を片手で振り回したり、巨石を片手で持ち上げたり、親指と人差し指で小石を挟んで粉砕したりなど、枚挙に暇がありません。
体型はスレンダーで、特に筋肉娘といった感じではありません。貧乳扱いされていますが、作中で比較的小さいだけで別作品に出演すれば普通のサイズ感ではないでしょうか。
雷太には素直になれないながらもいじらしいアプローチを続けており、4コママンガ劇場のドラクエ3女戦士が好きだった方は深雪のことをきっと気に入るはずです。
自分が雷太に危険なスキンシップをされた時よりも、自分以外の誰かが雷太にスキンシップを仕掛けられた時の方が制裁が強烈になる傾向があります。
紅影団の楓とは雷太をめぐるライバル関係と言ってもよく、お互いに張り合って雷太(と読者)を得させる展開になってしまうことも多いです。
疾風
地味にイケメンで、地味に万能です。目立たないことは忍者にとっては優秀ということなのですが、本人は影の薄さを気にしているようです。
エロに耐性がなく、しょっちゅう鼻血を出しているのですが、かすみとはかなり進んだ関係であることが暗示されているため、おそらく日常的に鼻血を吹きながら生活していると思われます。
穏やかで真面目な優等生キャラですが、かすみが雷太のスキンシップの被害者となった際はかすみ本人の数倍怒り、雷太に制裁を加えます。
斧の柄で頭蓋骨が変形するほど殴りつけるわけですから、相当ぶっ飛んでいるというか、それだけかすみに夢中ということでしょう。
放っておくとあらゆる場面でかすみとイチャイチャし始めるのですが、大抵邪魔が入るためすぐに中断させられます。
かすみ
女の子らしい性格で、四人の中では比較的おっとりしていますが、鞭を好んで使うなどサディスティックな嗜好を秘めているようです。
紅影団のきっての変態女子である雅に好かれており、雷太や彼女から過剰なスキンシップを図られることが多いです。
(時折妖しい道に堕ちかける瞬間がありますが)疾風一筋で、ラブコメ的なイベントを企画する立場になることが多いです。
作者からトランジスターグラマ―と言われており、背は低いながらメリハリのある体つきなので、恋人である疾風は女性に耐性がつきそうなものですが……。
弥助
雷太たち若葉組を指導する上司、小頭の立場にある老け顔の25歳男性です。顔は強面ですが腕は立ち、作中でピンチに陥ることはほぼありません。
妄想が激しいきらいがあり、己が好むグラマラスな大和撫子である桔梗(=変装した沙霧)への気持ちが良く暴走しています。雷太のことをよく窘めている割に本人も割とスケベな性格をしており、彼もまたラッキースケベ体質です。(というか、この作品の男性陣がラッキースケベ体質というべきか女性陣がラッキースケベられ体質というべきか判断に迷います。)
面の皮の厚さは度々ネタにされており、彼の顔面はなんと日焼けもしません。(?)
沙霧/桔梗
ギャル系の外見に抜群のプロポーション、飢狼伝説の不知火舞を彷彿させる衣装を纏ったくノ一です。
弥助からは『下品』と評されるものの、服装を変えてカツラをかぶっただけで理想の女性扱いになることから、相当の美人だと思われます。
作中で最もモテるといっても過言ではなく、雷太から最も被害を受けており、雷太だけでなく弥助や、自らの部下や、上司である沙織からも過剰なスキンシップを受けています。
メインヒロインを深雪とするなら、作品の看板娘(兼 読者サービス担当)は間違いなく沙霧であり、作内での存在感は雷太と並んで随一です。
そのため、ハプニングに見舞われる回数も多いのですが、作品自体が明るく健康的なお色気ラブコメディですので安心して見ていることができます。
紅影団くノ一
楓以外の紅影団のくノ一は全員百合嗜好の持ち主で、それだけならば問題ありませんが、全員M気味の痴女です。
類が友を呼んだのか何なのかよくわかりませんが、揃いもそろって沙霧を恋愛対象として強く慕っており、沙霧にシバき倒されることに喜びを感じています。
また、隙あらば沙霧と素肌と素肌のスキンシップをしようと目論んでおり、時と場合は関係ないようです。
楓だけは比較的常識を持ち合わせており恋愛対象も男性ですが、やはり雷太とのやり取りを見る限り変態性を隠しきれていないので、紅影団はやべーヤツらです。
若葉組の面々に対しては、くノ一のうち、楓は雷太を、あけびと絹花は深雪を、雅と真魚はかすみを好んでおり、若葉組の女性二人は紅影団くノ一にやや苦手意識を持っています。
沙織
紅影団の首領を務める美魔女で、年齢不詳。
変態くノ一軍団の首領にふさわしく、作中でもトップクラスの変態です(しかも節操がありません)。
作中でも後半に登場し、老若男女問わずスキンシップを図るあたりは雷太を上回っています。
老け顔の弥助もイケメンとして認識しているのですが、年下のイケメンも普通に好みであるようなので、美的感覚もおかしいというわけではないです。
単純にストライクゾーンが恐ろしく広いだけだと思われ、多様な相手の良さを認めることができると解釈すればこれは美徳とも呼べる……かもしれなせん。
月影
若葉組の面々や沙霧がピンチになると助けに来てくれる覆面のイケメン忍者です。
覆面なのにイケメンとはどういうことかというと、覆面で隠されているのは口元だけだからです。
(タキシード仮面様は上半分が隠れてますが、やはりイケメンと解りますし、タキシード山本仮面様はドットが荒くて顔がわかりませんが雰囲気でイケメンだと解りますので、覆面とイケメンが矛盾していないことがわかりますね。)
あまりのイケメンぶりに、沙霧は様付けまでして彼を慕い、若葉組の女性陣も彼にかすかに憧れがあるようです。
3. 作品の面白さ
この作品は1995年に連載されていたのですが、今読み返すと昨今の流行に通じる要素を複数備えた時代を先取りしすぎた名作であることがわかります。
忍者を題材にしていて、変態でも可愛いので好きになれて、ちょっと過激なお色気要素が含まれていて、作品自体も頭を空っぽにして楽しく読める娯楽一直線の作風で読み手を選ばず楽しめます。
少年誌に必ず一作品は掲載されていたお色気枠(ギャグ王では複数連載していることもありましたが)の漫画で、読んだことがなくとも懐かしい気持ちに浸りつつ、しっかり楽しめる良作です。
今ならマンガ図書館Zで無料で読むことも可能ですので、読んだことがない方は是非ご一読ください!(2020/8/1現在)
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