【おすすめ作品紹介】俺とヒーローと魔法少女


著者:九段そごう先生 連載先:COMICポラリス(WEB漫画サイト)

1. あらすじ

「ヒーローはもう辞める」

お人好しで正義感溢れる十文字ハヤト(28歳男性)は一週間ほど前に憧れのヒーローとなったが、幼少の頃から憧れていたその力はいざ手にしてみると彼の思っていたものと違っていた。

いわゆるスーパーマン的なヒーロー像に憧れていた彼の変身した姿は、よりにもよってフリフリ衣装が可愛い魔法少女

魔法少女ルミナスガール(28歳男性)は、変身後の姿を見せれば大きなお友達にハァハァと追い掛け回され、変身を見せれば特殊性癖を疑われ、時折少女として振舞わざるを得ない自分を自己嫌悪しつつも、ヒーローとして活躍する。

同時に『性別は変身前後で変わることはなく、外見もおおよそ一致し、ヒーローとなった時の年齢に固定される』という原則を根本的に無視した自分の変身後の姿の謎や、時折姿を見せる自分と同じ姿をしている正体不明のヒーローの謎に迫っていく。

2. 登場人物

十文字 ハヤト/ルミナス・ガール

名前は『仮面ティーチャー』主人公のコードネームと一緒ですが、どちらかといえば仮面ライダー2号の名前からとっている感じでしょうか。

筋肉質でがっしりした体格で、顔のつくりも男らしく眉も太い無骨な印象の、戦隊ヒーローもので言えば間違いなしにレッドというような風貌です。

(わかる方には『スーパーロボット大戦のスーパー系主人公(男性)っぽい外見』といえば通じるんじゃないかと思います。)

かっこいいヒーローになるはずが可愛くなってしまい、心がバキバキに折れている時でも助けを求める声あらば現場に駆けつける熱い漢です。

ルミナスガール変身時はアクションにキラキラエフェクトが発生し、シャラッと効果音までつきます。(本人達にも見えるようです)

 

分倍河原 ヨウスケ

十文字ハヤトの幼い頃からの友人で、変身ユニットをはじめとするヒーロー道具の職人です。

ハヤトは何かあれば、すぐヨウスケの店に相談にやってくることから、二人が相当仲のいい友人関係であることが伺えます。

ルミナスガールの名付け親で、ルミナスガール姿のハヤトを面白がりつつも可愛らしく思っているようです。

(『僕のヒーローアカデミア』のヴィランであるトゥワイスこと分倍河原 仁の素顔はこのキャラにどことなく似てるような気がしましたが、見比べてみたら気のせいでした。)

 

浦賀カスミ/リジットハート

とある怪人との戦いでルミナスガールと共闘したことから、ルミナスガールと関わることになる女子高生ヒーローです。

何やら過去の事情から男性ヒーローを嫌っているようで、自分よりも幼く、非常に可愛らしい少女のヒーローであるルミナスガールと仲間になれたことをとても喜んでいたのですが、28歳の男性ヒーローであることが秒でバレたため、彼女のメンタルは相当かき乱されています。

しかし彼女もハヤトに負けず劣らずのお人好しであるため、ハヤトとの相性は良さそうですね。

 

二階堂シズマ/ブルースティール

細身の美形で謎の余裕をもって振舞う正統派ヒーローだけど何もしない)。

変身の有無にかかわらず、生まれつき運がとてもよく、ハヤトとの初遭遇も自販機の大当たりが止まらず、あまりまくる缶ジュースを人に分けてあげるためでした。

ラッキーマン』ほどではないかもしれないが少なくとも『ジョジョの奇妙な冒険 Part7 スティール・ボール・ラン』のポコロコには迫るほど幸運なのかもしれません。

彼はルミナスガールの変身シーンを見ても『君 女の子だったの?』と確認を取ってくる天然くんです。変身前の姿を見た上でルミナスガールを普通に可愛がり、なんならお姫様抱っこまでします

ルミナスガールとしては変身シーンを見られて罵られるも嫌だけど、この反応はこの反応で嫌だったようで、かなり必死に止めるように求めていました。

(筋肉質の成人男性が自分よりも年下のイケメンに可愛がられているわけですから、まぁ無理もないでしょう。)

 

ヨウスケのおばあちゃん/レティクル・ミスティ

ゴリゴリの九州弁を操るヨウスケの祖母です。

変身を解くことができなくなったハヤトの面倒を見るとき、面倒くさい説明を放棄したヨウスケがルミナスガールを『ハヤトの娘のるみちゃん』と説明したため、ルミナスガールを普通の少女だと思っています。

実は今の高齢者の青春時代のトップヒーローであったようで、変身すると若返ってグラマラスでセクシーな女王様系ヒーローの姿(※ただしゴリゴリの九州弁)になります。

その強さは折り紙つきで、特に変身していない高齢者の状態でも怪人を撃退できるほどです。

レティクル・ミスティが変身する回は『幽遊白書』の幻海が好きだった人や、現在進行形で『じいさんばあさん若返る』が好きな方にオススメできます。

 

ダン・ウラガ

主人公が憧れているヒーロー。

ヒーローとしての立ち位置は一昔前の英雄、といったところでしょうか。

キメ台詞は『お前に名乗る名前はない!』ですよ。(『マシンロボ クロノスの大逆襲』のロム・ストールですね、好きです。)

 

3. 作品の面白さ

3-1.少女化を多くの人に目撃される

成人男性が一時的にとはいえ女性化(しかも少女化)してしまうことへの葛藤はこのジャンルにありがちですが、目の前で突如女性化してしまう男性への周囲や社会の反応をコミカルに描いている部分が、まず一つ目に魅力と感じました。

少女化した主人公が世間の目に触れやすい立場(アイドルやヒーロー)になる作品は複数あり、これは主人公が自分とは身近でない一般社会から『可愛い』とチヤホヤされることで、『そういうレベルの美少女なんだ』と私達読者に認知できるようにする狙いや、照れたり困惑したりする主人公の魅力を描く狙いがあるかと思います。そこで主人公が『自分の正体がバレないように努力する』という展開も面白かったりしますよね。

けど、ルミナスガールは違います。

彼の心には溢んばかりの正義感と、男としての誇りが詰め込まれています。

不器用で、人の為に一生懸命な男です。自分が変質者扱いされること、ドン引きされることに葛藤はあれど、必要があれば衆目監視の中でも(躊躇いはありつつも)変身することを選びます。付け加えると、ルミナスガール時に変態に追いかけ回され身の危険を感じれば即座に暑苦しい28歳男性に戻ります。

魔法少女に助けられた少年の多くは魔法少女に淡い恋心を抱くかと思いますが、果たしてルミナスガールに助けられた少年の心はどうなってしまうのでしょうか。

新たな扉、開いちゃうんでしょうか(笑)

3-2.ヒーローもののお約束がしっかり用意されている

特撮ヒーロー等のヒーロー作品には、ヒーローものならではのお約束展開がありますよね!この作品では少女化したヒーローが、少女化したことに翻弄されながらも、きちんとヒーローを務める姿を良いバランスで楽しむことができるというのが第二の魅力だと思います。

というのも、ベースジャンルに別の要素が混じった場合、比較的混ざった側の要素に比重が置かれがちで、ベースジャンルがいらない子になることが多々あります。(この作品のようなジャンルだと、少女化したことを過剰に悩んでヒーロー要素が存在しない回が続くことですね。)

ヒーロー作品ファンなら、『自分の好きなヒーローが別作品のあの展開と同じような状況になったとき、どうやって乗り越えていくのだろう』って、よく妄想しちゃいませんか?

だからこそお約束展開は人気があり、『このヒーローはこんな場合、こういう風に乗り越えるんだな』って他のヒーローと比べて考えるのが面白かったりするんですよね。

 

別要素にジャンルを乗っ取られてしまった作品ではこういった部分の踏襲というのが疎かにされがちと思いますが、この作品では少女化要素をきちんと料理しながらも『ルミナスガールならどうするのか』ということをきちんと見せてくれていると思います。

 

4.この作品を面白いと感じた方におすすめの作品

4-1.ヒーロー(魔法少女)×主人公女性化

俺、ツインテールになります。

男子高校生が魔法少女になる話

参考 男子高校生が魔法少女になる話 / 紺吉 おすすめ無料漫画 - ニコニコ漫画ニコニコ静画 (マンガ)

魔法少女ラヴァリエル

参考 「魔法少女ラヴァリエル」/「孝至」のシリーズpixiv

4-2.主人公少女化

一年生になっちゃったら

お兄ちゃんはおしまい!

よーじょらいふ!

 

4-3.コメディ×主人公女性化

らんま1/2

ふたばくんチェンジ

キモオタ、アイドルやるってよ

風紀地獄変 他同作者地獄変シリーズ

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